トヨタレンタカーで86を借りてドライブに行きました
いつの日か忘れたけど、高専生の中間ぐらいの学年の頃にトヨタのディーラーに行った。
母の車がヴィッツ(今はヤリスという名前になっている)で、車検か、買い替えの相談か何かだったと思う。
懇意にしてもらっている営業さんと母が話している間、僕は店頭に展示されている86に気がついた。
86が出たのは僕が中学生の時で、トヨタがスポーツカーを出したぞ!という熱気でいっぱいだったように感じる。それから数年たち世の中に出回り近所の駐車場でも86を見かけるようになった頃合いだった。
僕は幼い頃から車が好きで、乗れる機会があれば乗っていたし運転もしたかった。
18にも満たないガキンチョは、逆立ちしても免許は取得できない。
もやもやとした気持ちを発散するため、PSPでグランツーリスモをプレイしニュルブルクリンクで7分を切れた(確か、フェラーリのF1カー)ぐらいにはやり込んで遊んでいた。
知り合いの知り合いぐらいの不良の兄貴が無免許運転しているらしい、という噂を聞いて
「あいつやべぇなぁ」と友達と言い合ってたけど、実際羨ましかった。
とにかく車に乗りたかった。
遊園地によくある2stのうるさいゴーカートには見かければいつも乗っていたし、
ラジコンカーも好きでよく家の庭先でドライブしてた。
早く本物の車を乗り回したかった。
スポーツカーに乗った経験は無いし、ゲームの中の運転はGを感じることもないし、オンかオフかのアクセル操作しかできない人間が生のスポーツカーを初めて間近で見れた。
そんな僕のキラキラとした目に気がついた営業さんは、とても嬉しい提案をしてくれた。
「運転は流石にできないですけど、エンジンだけでもかけてみますか?」
言葉に覆い被せるようにして快諾するどころか、僕が頼み込むような願いだった。
86は昔発売していたトレノなんちゃらとか楽しいFRだとか、そういう細かいウンチクはどうでもよくて、今目の前にあるスポーツカーの生の音を聞けて運転席に座れる、という事実が一番サプライズだった。
営業さんが裏からキーをとってきて、僕を運転席まで案内してくれた。
ファミリーカーが新しくなることより嬉しかったかもしれない。
そのころの母のヴィッツはエンジンを車に差し込んでキーを回してエンジンをかけるタイプだった。
86は今では見慣れたボタンを押してエンジンをかけるタイプだったので、いちいち細かく感動した。
営業さんの指示にしたがってブレーキを踏みながらエンジンをかける。
聞き慣れているものとは違う重厚感、低音のあるエンジンサウンド。
何を意味しているかよくわからないが、煌々と光り輝くメーターパネル。
「アクセル踏んでみてもいいですよ」
免許を持ってないガキ、エンジン始動にブレーキを踏むことも知らないガキ、グランツーリスモでF1を運転したことはあるガキ、グランツーリスモでアクセル制御がうまくできないから間欠的にアクセルボタンを押すことで擬似的に回転数制御をしていたガキは恐る恐るアクセルを踏み込んだ。
何回転まで回るのか覚えてないけど、とにかく勢いよく吹け上がってめちゃくちゃビビったことを覚えている。アクセルというものの加減を知らないので、多分相当踏み込んだんだと思う。数回アクセルを踏み込んでみて今まで感じたことのない咆哮を全身に浴びた僕は「これいきなり発進しないよな?」と訳のわからないビビリ方をしてアイドリングに戻してエンジンを切った。
乗り込むのに苦労する車高、低い運転席からの視点、包み込むようなシート、足を投げ出す感じで固定される姿勢。すべてが生で、初だった。
その日は結局、次回の車検を継続するみたいな話で落ち着いた気がする。
もし車を買い換える商談になっていたら、母に86に買い替えてくれと無理な相談を頼み込んでいたかもしれない。
ガキの目線に気がついて、将来の客と見込んでアクセルを踏まれてくれた営業さんに感謝しなければならない。
僕はあの頃から未だにガキで、オイル臭くて燃費が悪くてうるさかったりして、運転していて楽しいクルマに乗ることに憧れている。
というような体験がありまして、86が世の中に出てから10年経ってようやく86に乗ることできました。嬉しみ。
ありがとうトヨタレンタカー。ありがとう運転免許。
初めてスポーツカーというものを運転してみました。
トヨタレンタカーから公道に出ていく行くときに気持ち悪い笑顔になり、
赤信号から青信号になってアクセルを踏み込んだ瞬間に悪役みたいな笑い声をあげました。
プロが散々レビューしているので、僕は短くそれでいて素人の感覚が伝わるように5・7・5調で感想をお伝えしたいと思います。
あくせるがばぁ
はいおくどばどば
ハンドルキュッ
運転手2人で。 |
12.2km/Lでした。 |
伊豆スカイラインから望んだ駿河湾か相模湾。楽しく走れました。 |
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