SUZUKI GSX-S1000(2022年モデル)を購入したので、馬力の暴力と電子制御について感想

 原付バイクは危険だ!ということを長々語った僕ですが、じゃあ大型バイクは本当に危険ではないのか、ということをま〜た長文で書きます。でぶりんです。

結論から言うと、危険です。

1, なんで危険なのか
2, GSX-S1000の装備
2.1 馬力の暴力
2.2 クイックシフター
2.3 トラクションコントロール
2.4 アシストスリッパークラッチ
2.5 ケツがでかいので座り心地がいい
2.6 ローrpmアシストとかいう曲者
3. 大型バイクに乗ると言うこと
4. バイクに乗ってください

ぐらいの大まかな区分で喋ろうと思います。
僕は壁に向かって喋っているつもりで書いているので、どうか壁が語りかけてくる程度の気持ちで読んでください。


1, なんで危険なのか

これはもう圧倒的なパワーにあります。
GSX-S1000に乗り換える前に乗っていたNinja400、そして大型教習で乗ったNC750とパワー比較をすると

Ninja400 :  32[44](kW/PS)

GSX-S1000: 110 [150] (kW/PS)

NC750: 27 [37] (kW/PS)

と、Ninjaに対して3.4倍, 教習車に対して4倍のパワー差があります。
教習用にデチューンされているとは言え教習車クソすぎちゃうの、これ大型教習になってるんか?
ちょっとアクセルを開けると一瞬で到達する法定速度、街乗りでは2速でも十分なパワー。
ギア比をパワーでねじ伏せるので、各ギアの守備範囲が広いです。
Ninjaもそれなりにパワーはあったと思うのですが、大型に比べるとやはり細かいギアチェンジが発生していたな、という感覚になってしまいます。

このようなパワーを街乗りの速度域で乗りこなすには繊細なアクセルワークが必要です。
なんで2速で十分かというと、4速とかにあげる必要がないからですね。
4速まで上げるほどエンジンが唸ることもありませんし、4速に入れてアクセルを一定にする前に信号に捕まってしまいます(神奈川県では)。

それでも2速でもありえない速度が出てしまうんですが…
こんなもので都内の慢性的に渋滞がちな30km/h低速国道を走ってしまうとストレスが貯まり、直線を見つけてしまうと右手が突然バカになってしまいます。

自制心と寛容な心、そして高速道路に乗ってから切り替える頭のスイッチが必要です。


2, GSX-S1000の装備
2.1 馬力の暴力

これは先程述べたものと重複するんですが、馬力の暴力を持ってしてすべてをねじ伏せることができます。
高速道路での巡航、追い越し、合流での加速、すべてにおいて不足がありません。

高速道路での巡航は、6速80km/h固定で大体4000rpmといったところでしょうか。
最高出力を発生する回転数は11000rpmなので、全然余裕があります。
6速でもアクセルをひねればスムーズに加速し、120km/hまで持っていけます。
ちょっとゆっくり距離を稼ぐのに空きたな、と思ったならば滑らかにアグレッシブ、そしてデンジャーな速度に乗ることができます。

ギアを下げてしまえば、もっと早く加速するので追い越しも秒で完了。
400ccに乗っている時のような「ギア踏んで4速まで落として、ひねって加速して乗ったら5速入れて、追い越して車線戻ったら6速入れて、伏せて巡航に戻って。。。」みたいな動作がありません。
「加速度を感じたいから一旦ギア落として、ちょっとひねって抜いて、はい完了」
みたいな余裕のある追い越しができます。

合流の加速でも不安がありません。
400ccでも十分合流車線で本線と変わらない速度を出せるのですが、速度をだすのに必要な距離が短くすむので安全確認に余裕を持てます。
合流に謎に張り合ってくる車がいた場合でも、追い加速で前に割り込めます(無茶な割り込みは危険です。残りの車線の長さと後続車両を勘案してアホ車に対抗せず、ブレーキを踏んで一旦後ろから合流しましょう)。

2.2 クイックシフター

これは感動しました。人間がクラッチ切ってギア上げてつなぎ直すとか、そんなバカみたいなことやるより早くギアチェンジが済む上に変速のショックも感じません。
上下対応なので、ちょっと加速したいな、みたいな場合でも適当にギア踏んづけてアクセルひねればいいだけですから。回転数も勝手に合わせてくれます。
変速のショックがないということは、体にくる負担を軽減できるということになり、ひいては体力の温存につながり、結果命の危険をへらすことができます。
使わない手はないでしょう。高速道路にのったらポンポンと上げていってあとはもう6速オートマ、一人カラオケ状態です。
ちなみにクイックシフターを使うときは、自分でアクセルを緩める必要はないです。
右手はそのまま左足蹴り上げてください。
たまに癖でアクセル緩めている方(ようつべで試乗動画繰り返している人)に多いです。
楽な装備は楽に使おう。


2.3 トラクションコントロール

有り余る馬力をどうやって人間が扱うか、というと扱いきれません。
なので、機械の力を使って制御するわけですね。
後輪にかかる力を制御して、タイヤの空転を防ぎます。
僕は納車日当日にこの機能に助けられました。

それはどこでかと言いますと、駐車場から右折するときでした。
その日はちょっと雨模様で、路面は濡れているものの雨が降っているわけではないという状況。自分に降ってくる雨が存在しないので、晴れだと勘違いしてしまったわけですね。
そんな僕はNinjaに乗っていたアクセル感覚が抜けないままGSXにまたがってしまいました。
そして濡れた白線を踏むにも関わらずアクセルをガバして。。。

はい、スリップしました。
ですがすぐにグリップを取り戻し体勢を整え、復帰したわけですね。
クソ怖かったです。TCが発動していなかった場合外装慣らしを無事に終わらせていたことでしょう。
ありあまるパワーを制御するには、機械の力が必要です。
僕には扱える自信があるんだ!と思っていても絶対に必要なときが来ます。
白線、マンホール、落ち葉、オイル…公道には予期せぬ危険が仕掛けられています。
バイクの価格、命の価値を加味してもTCをOFFにするほどのプライドでしょうか?

そして、僕がチビったスリップのその後なんですが、雨天を高速道路で走行する機会がありました。
チビリのビビリなので、TCレベルを5(最大設定)にして高速道路に向かいました。
なんですが、なんか前輪に糸が付いていて見えないところから舵角を前方に修正される感覚というか、リアタイヤがずっとパンクを引きずっているような不思議な感覚で走行することになりました。
雨天でタイヤが温まっていなかったのかもしれませんが、とにかく不安な挙動をするような走りになりました。TC作動中はメータのランプが点灯するそうですが、じっと見つめていてもランプの点灯は確認することができず…
しっかりとした検証というか走行をしているわけでもないのですが、TCは通常5まで上げる必要はないのかもしれません。3(通常設定)で十分だと思います。


2.4 アシストスリッパークラッチ

簡単にいうとクラッチが軽くなります。Ninjaのノーマルクラッチと対してかわりありません。
教習車は2時間乗ってると左腕が痛くなりましたが、そんな気配は微塵も感じない軽さです。
そして、クラッチが滑るようになります(内部機構の話、クラッチレバーではないよ)。
なので、エンジンブレーキは効きません。
街乗りで1速に落としたとしても、前につんのめるような強烈なエンジンブレーキが発生しません。なので、ちゃんとブレーキを使ってあげる必要があります。
っていうか、1速が担当する速度範囲が広すぎてエンジンブレーキがそもそもどこから発生するのか、みたいな話なんでよくわかりません……
ていうか、クラッチが軽いことの恩恵を預かるシチュエーションにあまり想像しません。
クイックシフターが付いているから、ギアチェンジであくせくクラッチを切るという行為をしなくなります。


2.5 ケツがでかいので座り心地がいい

大型の車格はシートも太くなります。
中型は割とコンパクトで、内ももに当たる部分はきゅっと絞られているのに対し
GSXはどっしりとした構えで乗ることができます。
また、シートの尻の部分も太いのでケツをしっかり押し付けて、骨盤で座れます。

ちなみに僕は身長180cmあってデブでケツデカなのでちょうどよく感じているだけかもしれません。
どっかりと座って移動しましょう。
ちなみに脚付きに関してなんですが、小さい人向けに適当な言い回しをしますと、
コンパクトなシートに座ってなんとかしのいでいた人が乗ると足がおっぴろげになってつま先ツンツンになるんじゃないでしょうか。けっこう太めなシートです。

言葉を選ばずに言うと、Ninjaはキ○タマをはさみこむ感じで乗ってるのがGSXではシートにキ○タマをスタンプする感じの座り方になる、ということですね。


2.6 ローrpmアシストとかいう曲者

ローrpmアシストというのは、発進時等のエンジンの回転数の落ち込みを検知して、ちょっとアクセルを勝手に開けてあげてエンストを防ぐ、みたいな感じの装備です。
これが曲者で、発進時とかにアクセルを開けてからクラッチつなぐ癖(というかMT車ってだいたいしますけど)があると、まともに機能しません。
アクセルを開けずにクラッチをつなくと、とても滑らかでかつ力強い発進ができるのですが、先述の癖があるとこの機能はキャンセルされます。
そして、アクセル開度が想像よりも足りなくてエンスト…という羽目になります。
リッターバイクなんですけどね。発進でエンストするんすよ。
4気筒は下のトルクがないってよく言われますけど、そういうことなんでしょうか…

でもよく考えてください、リッターの4気筒って1気筒あたり250ccあるんですよ。
単純計算で110/4 = 27.5kWってことは、教習車のNC750と同じなんですよ!(トルクの話をしているのに最高出力で考えているのは無視してください、僕はバカです)

なんでエンストこくのかよくわかりません。
アクセルまわせばいい話なんですけど、ちょっっと回しただけで回転数あがるし、エンジンの咆哮がものすごいのでビビってしまうんですよね。

とにかく、この制御にはなれるしかないです。
渋滞時とか何も考えずにクラッチつなぐだけで発進するし、なんなら勝手にアクセル煽ってくれるおかげで加速もするし坂もゴリゴリに登るんですけど…

バイクに慣れている人は要注意の電子介入だと思います。
ちなみにこれ、キャンセルできないらしいです。
なれるのが大変だと思います。


3. 大型バイクに乗ると言うこと

教習所で言われたんですが、'昔は大型に乗るためには一発試験に合格する必要があって、みんなの憧れだった。なので大型に乗っている人間はプライドがあったし、無茶な運転をする人はいなかった。心の余裕をもって大型に乗っているライダーばかりだった' のような話を聞きました。
そうですね。今は教習所に通ってしまえば大型免許を取得できてしまいます。
今の大型にのっている人間がイキってるカスのナンシーだとは思いませんが、昔は'俺は大型に乗っているんだぞ'というプライドがあったんでしょうね。
750自主規制とか、3ない運動とかそもそもバイクが敵視されていたような時代だから、大型に乗っている人間が無茶をして事故を起こして、さらに世間からの風当たりを強めないように心がけていた、というのがあったのではないでしょうか。

まぁ確かに、圧倒的なパワーを手に入れたとしてイキって命まで散らしてしまうのはあまりにもお粗末すぎる結末です。
バイクはただでさえ危険な乗り物なんだから、恐怖心と自制心をいつも以上に持って乗りましょう、というのが教官が伝えたかったことなんではないでしょうか。知らんけど。

中型のほうが安全だ、とは一言も言ってません。
大型のほうが安全でなくなる力が強いので、もっと安全に乗ろうよってことじゃないすかね。知らんけど!


4. バイクに乗ってください

よく言うじゃないですか。家族ができて、バイク降りたとか。
そういうことじゃないんですよ。

そういうことじゃないんですけど、きっとそういうことなんですよ。
バイクを楽しめるのって、若い時期が一番楽しいのは事実だと思うんです。
体力が必要です。金も必要です。時間も必要です。

しかし、この内時間は全員に対して平等です。
金は平等ではありませんが、バイク程度の金ならローンでもなんでも用意できるように社会が機能として備えてくれます。
あとは体力なんですが、これはもう圧倒的に若さの比重が大きいです。

日々のトレーニングとかで維持できることはできるでしょうが、人間の構造上年を重ねるごとに劣化の一方です。
今が一番若いし、体力もあります。

バイクを全力で楽しめるのって、今しかないんですよ。
会社の先輩が言ってました。大型とろうと思っても扱える体力が不安だって。

そういうことなんですよ。
すこしでもバイクに興味があったら今すぐに二輪免許を取りに行ってください。
'免許がなくて乗れない'と、'免許はあるがバイクを所有していないので乗っていない'でも、天と地ほどの差があります。

レンタルバイクでもなんでもいいからバイクに乗りましょう。
そんで、一緒にツーリングしましょう。
道の駅とかでソフトクリームの一個くらいはおごるから…



と、以上が初めての大型バイクに乗った感想とバイク友達を増やしたい願いです。
一年くらいして大型に慣れたら、また恥ずかしくも見返して感想を書き直したいと思います。

これからも無事故で、日々更新してインターネットの星屑にならないように気をつけたいと主ます。
でわ。ブォ

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