俺はホルモンが食いたい

俺はホルモンが食いたい。
焼肉屋に行ってホルモンを焼いて、油を落として網の上で発火させたい。

それで、箸に少し焦げをつけたい。

ホルモンを網の上に置いて、縮れていく様をメガネに油の飛沫をつけながら観察したい。

たまに油がはじけて、頬に飛んで、アチッってなりたい。

チリチリに縮れたホルモンを、箸で取って、皿に移すまでの間に弾力を確かめて、ウホウホしたい。

アツアツなホルモンを、口に中に含んで、アッチッチってなりながらかみ切れない喜びを噛みしめたい。

ホルモンが食いたい。

俺は網焼きをしたいのだ。



フライパンで豚バラ、鶏もも肉なんかを焼いて焼き肉だと言いはりたくない。

七輪を、物置から取り出してきたホコリで咽るような古びた椅子で囲んで、ホルモンを焼きたい。

それで、たまにカルビかなんかに浮気してコソコソとカルビを食べたい。

それで、口の中、顔面を脂まみれにして焼き肉はオシマイ。

体中、そして服がギトギトの肉臭くなるのが理想です。

次の日の朝、自分がやったことに辟易としますが、残った炭を片付けるまでが焼き肉。

ここで灰を取り除き、炭を追加して、また夜に焼き肉をするかどうか、分かれます。

それでいいんです。そこは個人の選択の自由が保証されています。



こんな理想の網焼きをしたい。

俺はホルモンが食いたいのだ。

ホルモンが食いたいんだ……

コメント

人気の投稿